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「はぁ・・・」
人気のない帰り道で少年はため息を吐く
「今日も退屈だな・・・」
何も起こらない日々、それは少年にとってはとてつもなく退屈なことなのだろう
「何か大きな変化とかないのかな~・・・例えば・・・」
少年は立ち止まってつぶやく
「別の世界に飛ばされるとか」
「叶えて差し上げましょうか?」
「え・・・?」
少年は女性の声がする方へ振り向く。しかし誰もいない。
「・・・なんだ、空耳か」
「そう思うなら下を見たらどう?」
「・・・?」
少年は言われるがままに下を向く。
「!?」
少年の足元には無数の目が在った。そして自分の体が徐々に飲み込まれている。
「なんだこれ!?」
「あなたが望んだことよ。そして幻想郷が選んだこと。」
「幻想郷?」
「これからあなたが行く世界よ。あなたがするべきことがある世界。」
「俺が・・・するべきこと?」
「そう。まぁ詳しいことは向こうで聞きなさい。まずは紅白の巫女に会いなさい。」
「紅白の巫女?いや、それよりも幻想郷って・・・」
言いかけた瞬間、少年は無数の目の穴に完全に飲み込まれた。
少年は木々の中にいた
「う~ん・・・頭がクラクラする・・・」
少年はあまりに唐突な出来事に戸惑っていた
「にしても・・・ここどこだ?俺さっきまで家に向かって帰ってたはずなんだけど・・・」
「あーいたいた、まったくあのスキマ妖怪ときたら、探す身にもなってみなさいよ」
少年は女性の声のする方へ向いた。そこにはあの女性が言っていた紅白の巫女と思わしき姿の人物がいた。
「立てる?名前とか分かるかしら」
「えーっと・・・篠崎文弥(しのさき ふみや)・・・」
「文弥ね、ようこそ幻想郷へ」
「ここが・・・幻想郷?」
少年は周りをキョロキョロと見渡す。
「いまいち理解できてないようね。まぁ詳しいことは道中で話すわ。」
「あの・・・名前は?」
「私?博霊霊夢。この幻想郷の巫女よ。」
巫女と言って確信した
(この人が紅白の巫女・・・だな)
「とりあえず神社に行くわよ。」
霊夢はこっちこっちと手招きをする
文弥は少し痛む頭を押さえて霊夢についていった。
(わけが分からないことばかりだけど、退屈はしなさそうかな・・・)
文弥はそう思った。
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