5人が本棚に入れています
本棚に追加
・・・鳥の鳴き声が聞こえる、障子から日差しが入ってくる。
「朝か・・・」
「あら、起きたのね。さっそくで悪いけど、はい」
霊夢から何か色々書かれたメモを貰った。
「・・・なんのメモですか?」
「おつかいよ。ここに泊まる以上少しは働いてもらわないとね。」
「なるほど。ここに書いてある場所に行ってこれらを買ってくるんですね。」
文弥は地図を指してから品物の周囲をぐるっと指でなぞった。
「そういうこと。道中に妖怪と会ったりしてもつるんじゃだめよ。あなたは今分かる限りではただの人間なんだから。」
「霊夢さんは行かないんですか?」
「私は忙しいのよ。神社の前を掃除したり、倉庫の整理をしたり、お茶を飲んだりで。」
最後はともかく他にすることがあるんだなと納得し、文弥はおつかいを承諾した。
「うーん・・・この道であってるんだよな・・・?」
神社を出てから数分。文弥は示された地図通りに歩いてるものの、いっこうに人里に辿り着けないでいた。
「霊夢さん間違えたのかなぁ?さすがにそれはないと思うけど・・・」
「ん?なんだ、人間か?珍しいな!」
背後から元気な声が聞こえた。文弥は声のする方向に振り向いた。
(氷の羽の妖精?・・・と・・・もう一匹は緑の妖精?)
「どうした?道に迷ったのか?」
氷の妖精は楽しそうに話しかけてきた。
「えっと・・・人里に行きたいんだけど・・・」
「人里か?それならあっちだぞ!」
氷の妖精が指を指した方角は、自分が神社から歩いてきた方角だ。
「違うよチルノちゃん。人里はあっちだよ。」
隣にいたもう一匹の緑の妖精が逆の方角を指す。
「あれ、そうだっけ?まぁ大ちゃんが言うならそうなのかな?」
(大ちゃん?とにかくそっちの子の言う方が正しそうだな・・・地図も同じ方角を指してるし)
「教えてくれてありがとう。」
「いえ、道中気を付けて。」
「感謝しろよー!」
二匹の妖精に別れを告げ、文弥は地図通りに進んでいった。
最初のコメントを投稿しよう!