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「そろそろ日が沈む頃ね。」
霊夢が話を切り出す。
「もうそんな時間か、文弥と話してたらあっという間だな。」
「過去話してただけですけどねー」
「まぁ私と霊夢はほとんど聞いてただけだったからな。そういえば小さい時の思い出はないのか?」
「それがなぜか小さい時の記憶がまったくないんですよね・・・」
「まぁそんなもんなんだろうなー」
魔理沙が忘れていても仕方がないと頷く。
(おかしいわね・・・ひとつぐらい思い出があってもいいのに、まったくないだなんて・・・)
霊夢は魔理沙と違って疑問を抱いていた。
「よし!じゃぁそろそろ景色を見に行くか!」
「そういえば見に行くって、どうやってですか?」
文弥は疑問に思った。
「そりゃ、もちろん飛んでだ。」
「と、飛ぶ!?」
文弥は驚いた。妖怪とかなら飛ぶことなんて造作もないことだろうが、人間が飛ぶことなんてできるのだろうか?
「まぁ私は魔法使いらしく箒で飛ぶんだけどな。霊夢は素で浮いてるぜ。」
「俺はどうすれば・・・」
「文弥は魔理沙の箒に乗るといいわ。二人分は乗れるしね。」
「霊夢が私を止めた辺りからそうなるだろうとは思ってたぜ・・・」
「別につらいことではないから大丈夫でしょう?」
「まぁなー。ほら、文弥。後ろ乗ってけ。」
「あっ、はい」
文弥は慌てて魔理沙が呼び出した箒の後ろに乗った。
「じゃぁ・・・しっかり捕まってろよ!」
と魔理沙が言い放つと、少し宙に浮いていた箒がますます上に上がっていった。
「高いですねー!」
「随分とはしゃいでるなー」
「箒で空飛ぶなんて初めてですから!」
「あまりはしゃぐんじゃないわよ、暴れると落ちるだろうから。」
声のする方を向くとそこには宙にふわふわと浮いている霊夢がいた。
文弥は随分と楽しそうだった。それはもう小さい子供のように。
「ひとまずぐるっと周りながら場所の説明でもしていこうかしら。」
「了解だぜ。文弥、振り落とされないように気をつけろよ?」
「はっ、はい!」
文弥はしっかりと魔理沙に捕まった。
「で、どっちから行くんだ?」
魔理沙が質問する。
「とりあえず文弥が行った人里からぐるっと周って最後に魔法の森でいいかしら。」
「了解だぜ。私はそのまま家に帰るって予定だな。」
「まぁそういうこと。」
「んじゃレッツゴー!」
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