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何故、記念すべき冒頭からモブキャラみたいなのがブチ切れ突っ込みを入れているのかというと…
あれは、数日前の事。
(こ、これは…!)
爽やかな朝。登校前、TVで見た占いでは『うお座のアナタ!恋愛運は絶好調。思い掛けない相手から声がかかるかも』とニュースキャスターのお姉さんが話していた。
今最推しの彼女から恋愛について期待させられる様な発言と『今日も元気にいってらっしゃい』とTV越しでも声をかけられれば足も気持ちも浮き立つ。
ちょっと嬉しい気持ちで下駄箱をあけると入っていたのは、ピンク色にハート柄をした可愛い便せん。
これは、いわゆるラブレターというモノでは…!?
(い、いやいや…実は誰かが仕掛けたドッキリかもしれないし、うっかり隣と間違えて入れた可能性も否定できない!)
そんなことを考えながらも、静かに周囲に誰もいない事を確認する。
(よし。さっ、さっそくだが、中身を拝んでやろうじゃないか…!)
便せん様の裏には「翔太くんへ」と書かれていた。俺の名前だ、間違いない。
ゴクリと唾を飲み、震える手で中身を取り出すと、
『放課後にお話があります』
(つ、ついに…ついにモテ期きたぁあああああ!!!!!)
その綺麗な字で書かれた文章に釣られてしまったのが運のつき。
「その…翔太君、好きなんだ。付き合ってくれないかな?」
「断る!!!!」
と、即答できたならどれだけよかっただろう。
俺の目の前にいるのは、紛れもない男。
そう、立派にチンコがついている野郎である。
ちなみにこちら指定された時間と場所。現在、体育館裏というベタな場所からお送りしております。
告白されたのは俺こと上川 翔太。
高校1年生。
てか、俺と目の前の野郎しかいないからね。もう自己紹介とかいらない気もするよ!
小さいなりにもチンコはついているし手離すつもりもない、なるものか。
成績・顔ともに超ヘイヘイボンボーンで、これといった特技があるわけではない。
強いていうなら漫画・アニメ・ゲームと多趣味。
(あぁそうだよオタクだよ!!根暗で悪かったな!)
ついでにオタクな友達(少数)くらいしかいねぇよ!チクショウ!
俺みたいなモブは、せいぜい良くてラブコメの当て馬役だ。まぁ残念なことに幼馴染の女の子が存在してないけども。
「あの、聞いてる…?」
「あ、はい!俺がモブです」
「え、あ…そうなの?」
うん、分かってないだろうね。
そのお綺麗な顔に“モブってなんぞ”と、書いてます。
何が悲しくて自分をモブだと自己紹介しないといけないのか…
そして、この目の前の先輩は、白南学園のアイドル。
通称“白学の王子様”。
・・・・。
まるで安っぽい乙女ゲーもしくはラノベ小説にでも登場しそうなあだ名をつけられたこのイケメン様は、マジで、そう呼ばれている。
最初聞いた時は、“ちょwwなにソレwww”と心の中で大爆笑した俺だ。
いや、笑うところだよね!普通
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