その日の晩の話

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もちろん返事など出来るはずもなく、俺は寮に帰って来てからずーっと頭を抱えているわけ。 今までほとんど人とコミュニケーションなんてとってなかったし、あんなキラキラした人と話が合うはずがないんだ。 “俺ら、超根暗だもんねwww” “そうそう、日の光なんて必要としてないし” “Aliceのマーリたん激カワ、ハスハス” 友達(ネット上)とするのはお互いを乏しめるような会話や自分のことばかり。 リアルな友達は…といっても俺は積極的に会話が出来るほうじゃないし、なんだか疎外感の様なものを感じていた。 だから気軽に相談できる友達なんて、どこにもいない…。 吉田さんがモテているのを目にしたからって…。 (そもそも吉田さんからしてみたら、俺が一方的にキレただけだよね!?、俺が自分からした質問に一方的に傷ついただけで!なんも悪くないよね!? ていうか、吉田さんの方こそ傷ついてたよな…。 いやいやいや!でも最初に脅してきたのは吉田さんじゃん! 元々無理やりな関係ではじまった仲だし、この先もうまくいくはずがないって) 俺があの時、嫌だったのは あんなに接してくれてる人に、『冗談で君と付き合ってるんだよ』と告げられるのが 途端に怖くなったから…。 吉田さんがガチホモなら告白を、少しは信じられたかもしれないけど、そうじゃないみたいだったから…。 「いやだから、どーしろっていうんだよー…」 完全に修復ができない。 気がついたらあー、うーをずっと唸っている。 理解不能な自分の頭を掻き毟ってしまいたくなる。 (はぁ…アホだな、俺。いや実際アホなんだけども)
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