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それは正直、心外である。
俺は見た目がパッとしないように中身も超チキンだし、ちゃんと人並みの感性を持ち合わせている。
ましてや人を傷つけるなんて言語道断。
これからもオタクライフを満喫する為、人生を慎ましくも楽しく生きていくんだ。
「お、俺は…俺の中で俺が俺のために考えだした限りなく正解だとして近いであろう吉田さんが、“夜に怖い映画を見て一人じゃトイレにいけなくて”ということを想定してですね…ほら、そういうのって誰にも言えないでしょ!?」
そうだと言ってくれ、頼むから!!
だってお化け怖いでしょ!?
「そう、だよね…。普通は気持悪いし、からかいたくもなるよね」
「ちょ、ちょちょ…なんでそんな悲しそうな顔するんですかっ!?えぇっと、そうじゃなくてですね、俺はビックリしたっていうか…恋愛の自由を否定する気なんて更々なくて…!」
あ。俺…・
ダメ。絶対、失敗した。
そう悟った時には遅かった。
人生にたいして、死亡フラグ立て…いや、気づくな!!!
そのフラグだけは立てちゃいけないんだ…!
「本当に、そう思ってくれてる…?」
「は、はい、もちろんです…」
「でもキモチワルイって思ったんでしょ?俺の事、嫌いになるよね…」
うっ…。
なんだこの無駄な美形フィルターは!!
だめだ、やめろ!!
一生のお願いだから、誰か俺の口を塞いでくれ!!!!
「別に吉田さんのことが嫌いってわけじゃなくて…。ただそういう風には見れないっていうか…気持悪いなんてそんなこと思ってませんよ…」
その時、
俺の脳裏に過ったのは長い文章や走馬灯などではなく、
いっそ殺してくれ。 という懇願だった。
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