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「そうだっけ?アハハハハ。」
我ながらむりがある。だけどシグは気にしてないみたいだ。
「うん。さっきも曲がり角でぶつかって、アルルがしりもちをついちゃって、でもさっきはアルルちゃんと足閉じてたような………。」
すごい罪悪感。
あとでアルルに謝らなくちゃ。
「さっき、どこで会ったんだっけ?」
「えっと、公園の横。」
「ありがとうシグ。」
立ち上がり、去ろうとしたあたしを、シグが引き止めた。
「これ、アルルの?」
彼の手にはカーバンクルのマスコット。
落としちゃった。
「ありがとう、シグ。
これ、あたしのだよ。
じゃあね!」
立ち去るあたしの後ろで、シグはぽつりとつぶやく。
「アルルって、自分のこと《あたし》って言わない。
それに、さっきはアルル泣いてたのに……なんなんだろう?」
あたしにはもちろん聞こえなかった。
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