かーくんのマスコット

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「ふぅー。危なかった。」 早くアルルを探そう! 歩きだそうとしたあたしをこんどは別の声が引き止めた。 「待て。アルル。」 そこには息をきらした、闇の魔導師がいた。 「どうして逃げるんだ、アルル。俺がいやなら断ればいいだろう?」 なんの話だろう。 「なぜ、逃げる?」 もう一度、同じことを聞く、シェゾ。 でもあたしは答えられない。 彼が、いつもと違い、とても真剣な顔をしていたから。 いいかげんな答えは、言えない。 「…………。」 なにも言わないあたしに痺れを切らしたのか、シェゾはあたしに背を向けた。 「…もう、いい。」 あたしは彼のマントを引っ張った。 「待って!」
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