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「兄ちゃん、お母さんはいつまで家にいるのかなぁ?」
「来週末までだよ。今父さん一人だから早めに戻るって」
千尋と春の兄妹はいつもの通学路を歩いている。
春の通う小学校と千尋の通う大学は同じ道筋。千尋の帰りが早い時はよく兄妹はいっしょになる。
「お~い」
二人の背後から少女の声がした。
私服姿の東光だ。
「千尋君、お春ちゃん。この前はありがとう」
「光さんEDUTの人だったの?」
春は光に訊く。そうだよ。と光は返す。
「光ちゃん、あんたが元気そうでよかった」
千尋は照れた感じの表情。初めて光を見た時の格好は少年っぽくガサツな感じだったが、今の光の格好は女の子らしい可愛い服でギャップを感じた。
千尋は女は服1つで変わるんだと確認させられる。
「……千尋君も、この前は怪我とか無くてよかった」
光も千尋の顔を見るなり頬を赤くする。
「……」
「お春、どこいく?」
「うっ!?」
春は二人を邪魔しては駄目だと立ち去ろうとしたが千尋に止められる。
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