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「――――お客様、起きてください!」
「――――へ?」
ジャンボ機の中、スチュワーデスに少女は起こされた。
どうやらもう日本に着いたらしい。
少女は海外での長旅から一人帰国したのだ。
少女の男物のジャケットに半ズボンで軽くふんわりした黒髪。正に風来坊な格好だ。
「あ、スミマセンスミマセン……」
少女は荷物を手に慌ててジャンボ機から出た。
※
「ふぅ。久し振りだぁ」
少女―――東光(あずま ひかり)は故郷の日本の風にひたる。
父が四歳の時に亡くなってから十三年振りの日本。光の知る風景は勿論変わっている。
―――そして、一番変わったのは、
人類が地球外生命体と関わり合うようになった事。
光の知る人物もそれらに関わっている。
「……光ちゃん!」
ぼんやりしている光の耳に中年女性の声が入る。
「あ、里見さん?」
その声の主を光は知っていた。
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