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その光景はあまりにも酷い。
鳥がこんな風に獣を喰らうとは誰も思えない。宇宙にはこんな怪鳥がいる。
怪鳥は何故か獣ばかりを喰らい人間は襲わない。小さい人間より自分と同じくらいの獣しか見えない。
「お前ら!!今すぐ民間人を避難させろ!」
「ラジャッ!!」
隊長と水谷と明石は負傷した民間人を避難させようと動く。
「………」
「おい、あんたもだ」
隊長は光にも呼びかける。
「……ん?あんたまさか」
隊長は光の顔を見る。
「よし、こうなったら」
光は隊長の呼び掛けなど聞かず怪鳥の元へ走る。
「おい!待てあんた!!」
隊長は止められなかった。
水谷と明石も民間人を避難させながら光を見ていた。
「私の手で止める!!」
怪鳥の脚に蹴りを入れる。
しかし獣と違って怪鳥にはびくともしない。
怪鳥は羽で光をハエのようにはらう。
「きゃあぁっ!」
怪鳥に光は勢いよく弾かれ、地面に叩きつけられる。
「やめろ!」
水谷は叫ぶが、光は勿論聞かない。
しまいには怪鳥の背に飛び付いた。
怪鳥は光など気にせず飛び立つ。
「わああぁっ!」
怪鳥はあっという間に三十階建てのビルと同じくらいの高さを飛んでいた。
「何よあんた!!私を降ろせ!!」
光はじたばたする。
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