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「ちょっと、聞いてるの?あなた?」
「ん?おっと。悪い。まだ頭がボーッとするんだよ。これも時差ボケってやつかな」
「そのわりにはあなた、ずっと私の足を見続けてるけど」
そう言いながら、美鈴は上から見下ろしてくる。ついでに鼻に指を指しながらだが。
ちなみに言うと、見下ろされているわけだが、彼女の身長は特別高いわけではない。もちろん、俺の身長が低いわけでもない。俺が170中盤なのに対し、彼女は10センチくらいは低い。
じゃあ、なんで見下ろされてるって?
それは男の威厳にかけて、あまり言いたくはないが、いわゆる土下座させられてるんだ。
まぁ、理由なんてしょうもないものだ。
ただ単に、彼女の着替えている部屋に入ってしまったと言うわけだ。
簡単だろう?
くっそ、なんでこんな未来まで土下座なんて、文化が残ってるんだよ。日本沈没とともに、なくなれよ。
「いやいや、それだけ美鈴の足が魅力的なだけさ」
「は?あんた本当に気持ち悪いわね」
うん。この話を始める前から最悪だった第一印象は更に下降を辿っているようだ。思わず、ため息もしたくなるもんだ。
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