魔法を推理しろ

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ビールの瓶が目の前に何本も置いてある。個人的に空いた瓶を並べることが好きなんだ。あー、別に俺こんなに飲んだ、すげーだろ?って言う訳じゃない。 何て言えばいいかはわかんないけど、なんとなく好きなもんは好きだから、しょうがないだろ?なぁ? 飲めないひとからしたら、こんなに無駄に飲んで意味がないと思うかもしれないが、ないとやってけないんだよね。 あー、ダメ人間。自覚してるけどな。あの所長への怒りをつまみにいくらでもいけるな。これは。 「お客さん。そろそろ、時間だよ」 カウンターごしに、体格の豊かなおばちゃんが話しかけてくる。 「えー、おばちゃん。もうちょっとだけ!あと、一本!」 「あんたはいつもいつも。まったく。一本だけだよ。今日は霧が出るそうだから、気を付けて帰んなよ」 「霧?そんなもんがでるわけ」 「あたしも、40年間ほぼ霧なんて見たことないわね」 おばちゃんは、腕を組んでしみじみと漏らす。まぁ、都会で霧なんて珍しいよな。見ない。うん。見ないな。
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