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しかしまぁ、これは紛れもなく現実であることは重々と承知している。未だに指をグリグリしてくる美鈴も、事務所のビルから覗く幾つもの太陽代わりの光源。
そりゃさぁ、最初は何度も頬をつねったし、拾ってくれたおやっさんにも問いただしたさ。それでわかったことはこの世界が、俺がいた時代が400年も未来のこと。
日本が海に沈んだこと。日本どころか、世界の陸地の10分の2しか残ってないとさ。
全ては大気汚染が生んだ、温暖化のせいだそうだ。まぁ、俺らの時代からも予想されたことだから、あまり驚きはしなかったさ。
じゃあここはどこだって?地上に住めなければ海に住めばいい。つまり、そういうことだったらしい。宇宙に移民という提案もあったらしいが、現実問題として厳しいとのことで、海の中にドーム状の居住区が開発されたそうだ。
その居住区は、コロニーと呼ばれている。
それをおやっさんから聞いたときはどこぞのアニメ好きが名付けたんだと思ったんだよな。と言うのは、俺の頭がそうなだけかもしれないけどな。
まぁ言ってしまえば普通だよな。機動兵器なんかが出てくるアニメ思い出す自分が恥ずかしいだけだ。
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