1人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ
ドンッ!!
カオリの脳内ナレーションは衝撃で強制終了を迎えた。
浮かれすぎ、前方不注意で身長の高い男性と衝突したのだ。
双方は大きな尻餅を付いて、カオリはDVDの袋を落としてしまった。
「いたぁ……あっ、ごめんなさい!」
「…ったく気いつけてくれよな!」
カオリを睨むと、男も落としたレンタルバッグを拾って外へ出た。
カオリは思わずもう一度謝ったが、去っていく男の背中からは怒りが伝わっていた。
「やっちゃったなぁ……まあでもついに見られるし良いや!」
気を取り直し、家までスキップで帰ったカオリ!
しかし、この先起こる悪夢をまだ彼女は知るよしも無かった。
5:18 p.m
カオリの部屋。
ついに時は来た!
ウキウキこの上ない今時分。
自分の部屋のパソコン(バイト代で買った)にセットする……この瞬間の為に生きていると感じるくらいの至福の時だった。
パソコンは舌を出すようにトレイを開き、カオリはTSUYAYAの袋をカバンから取り出し、ディスクをセットした。
ディスクがパソコンの中に飲み込まれ、ブゥーンという音を上げる。
カオリは固唾を飲んで再生するのを待っていた。
ついに始まる!
そして再生された!
最初のコメントを投稿しよう!