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「なぁ。」
「まだ喋る気か、源司殿」
「…もう何も言わん。」
「早く言え。」
自分から話かけたくせに黙り込む源司。
「なんだよ、蹴鞠(ケマリ)のお誘いか?」
「……今日、時間あるか?」
「あるけど…奈緒忙しいんだろ?
大丈夫か?」
「お前が無理やりスケジュール入れたから
この後は珍しくオフなんだよ。」
「マジか。蹴鞠しようぜ。」
「蹴鞠はしないけどメシ行こう。」
「まず蹴鞠について突っ込んでくれ。
恥ずかしいだろ。
奈緒と三人でか?」
「いや…」
なんだよなんだよ。
この雰囲気は。
まさかコイツ…
俺のこと…。
ってそんな展開はゴメンだ。
「二人で、話したいんだ。」
……そんな展開だったり、するのか…?
「休憩にしようか!」
タイミングがいいんだか、悪いんだか。
兄貴の満足気な声。
一斉にスタッフが動き出し、
源司も奈緒に駆け寄って行った。
…羨ましい。
いつでも奈緒のそばにいられる。
俺もマネージャーになりたかった。
あの時、あの時…
じゃんけんで負けなければ…!
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