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そう、
奈緒が町でスカウトされ
その時一緒にいたのが俺たちだった。
奈緒のお人好しで仕方なく
そのスカウトマンの話を聞くことになり
三人でついて行くと、なぜかすぐ
事務所の社長に対面させられた。
社長は
『100年に一人…いや!
1000年に一人の逸材だ!』と大興奮し
奈緒に猛烈アタック。
1000年に一人ってなんでわかるんだよ、と俺は
内心冷めた目で見ていたけど、
そこでまた奈緒のお人好しが発動し、
条件をつけてモデルをやると言い出した。
その条件が
“この二人が一緒にいてくれるなら”だった。
しかしやっぱりそんな条件を
すんなり飲んでくれるはずもなく。
“一人ならいい”ということになったのだ。
そして。
『『じゃんけん』』
『ぽん!(グー)』
『ぽん!(チョキ)』
俺は負けた。
もう、じゃんけんでチョキは出すまい。
俺がチョキを捨てた瞬間だった。
その後、就職の当てもなかった俺は
兄貴にすがりついた。
カメラマンになれば、奈緒に会える。
モデル=雑誌=カメラマン
俺の単純な頭で考えた結果だった。
でも。
現場で見る奈緒と源司。
もう俺だけ仲間ハズレみたいで…
寂しいもんだな。
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