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ぼーっと二人が笑顔で喋りながら
こちらに向かってくるのを眺める。
そして奈緒と目が合い、
一気に現実に戻された。
「汰っちゃん!
英ちゃんほんとにカメラマンって感じだねー!
汰っちゃんもいつかあんな風になるのかなー?
その時は私を一番初めに撮ってね!」
えへへーと可愛らしく笑いながら、
なぜか頬を紅潮させる奈緒。
もう。
今すぐにでもその表情を撮りたいです。
「だから俺を無視すんじゃねぇ!
そしてイチャイチャすんじゃねぇ!」
「おお、ご乱心ご乱心」
「…汰樹ぃ…」
「ああ…また二人共…
仲良くしなきゃダメだってばー」
「はいはいはい!
3人でイチャついてるとこお邪魔しますよー」
そこにまた結千さん登場。
少し身構える源司。
ぷっ。
笑える。
結千さんは奈緒の隣に行くとニッコリと微笑み
奈緒の顔を覗き込む。
「っかー!
やっぱり若いから?
全然メイク崩れないわね!
まぁ、一応グロスだけ塗り直そっか?」
「はいっ!
お願いしますっ」
奈緒のキラキラとした瞳が、結千さんに向けられる。
うわー。
絶対“かっこいー!素敵なお姉さん!キレー!”とか
思ってるに違いない。
どうして奈緒はここまで来ても
自分の凄さに気づかないのか…。
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