9人が本棚に入れています
本棚に追加
ポンと、肩に手が乗る感覚。
顔を向けると、源司の指が頬に刺さった。
「引っ掛かってやんの!
バーカバーカ!」
「………………」
「シカトすんな!」
「なんだよ、
さっきまでシリアスになってたやつが。」
「なってねーよ!
奈緒はマジで自覚ないんだって!
ったく、だからお…」
「…お?」
「おおお…」
「なんだよ、おって。」
「…ま、いーわ。
この後飯食いながら話す。」
「そこでやめんなよ。
気になるだろーが。」
「ふはは!
気になっておけ!
ふはははは!」
「ははぁー!
お代官様ぁー!」
「……………」
源司は自爆して、
お代官様の顔付きのまま俺の前からフラフラといなくなった。
まったく、
弄り甲斐のある奴だ。
「今日は皆様とお仕事が出来て本当に嬉しかったです!
写真集の出来上がり、楽しみにしてますっ
ありがとうございました!」
スタジオを出る前、奈緒は
スタッフ全員に向かって大声で呼びかけると
頭を下げて源司と帰っていった。
最後の最後まで全員メロメロ。
ま、俺もその中の一人だけど。
最初のコメントを投稿しよう!