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「ね、ね、猫!」
ボンネットの上で優雅に眠る猫。
「ど、どうしよう……」
莉奈は猫が大の苦手。
極度の猫アレルギーで、触れる事も出来ない。
「エンジン掛けたら逃げてくれるかなぁ……」
運転席へそっと手を伸ばし、キーを差し込んで回すものの、
「だ、駄目だ」
猫は微動だにしない。
トランク側に移動し、車を押さえつけるように何度も揺らすが、
「何でどいてくれないのよ……」
全く動く気配がない。
それどころか、莉奈を嘲笑うかのように、目を瞑ったまま大きな欠伸をしている。
「もうー、あったまきた!」
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