paradise<楽園>へ招待

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持ち物は取られていないのを知った春香。 財布の中にある刃渡り五センチ携帯用カッターナイフを狭い段ボール内から取り出し開放部分を切っていく。 しかし、ガムテープが邪魔で上手く切れない。 二分かけて半分までいくと後は無理やりこじ開ける。 近くで缶コーヒーを飲んでいた白いスーツの男たちはびっくりして口からコーヒーを零す。 一人目の男はすぐ殺せた。 一メートルぐらい高くジャンプする。着地の瞬間、膝を曲げそれをバネに体制を低くしたまま走っていく。 男たちとの距離は二十メートル弱。 三秒でそこに辿り着く。 呆然と佇む男の首目掛けてカッターナイフを突き刺す。 ブスっと肉を刺す音。 普通の人なら気持ち悪いと思うだろう。だが、昔の感覚を取り戻した春香は違った。 肉を刺す音も、カッターナイフを抜いた後の血が吹き出し顔にかかった生ぬるい赤い液体も、味も、感覚も全てが快感。 首から赤い液体を吹き出しながら、だらーんと肩を落とし倒れていく。 もう一人の白い男は舌打ちをして、忌々しい顔をしながら、     ゲスト         ハクオウ 「お前は特別だから手を出さないよう白桜様から言われている。」 「だがな」とスーツから刃渡り三十センチ、刃がギザギザになっているサバイバルナイフを取り出す。 「白桜様はもう一つ、『もし何かあった場合は殺せ』ってなぁ!!」 数メートルの距離を縮め、春香の心臓目掛けてサバイバルナイフが向かってくる。 そして、動きが止まり持っていたサバイバルナイフが落ちる。 男の腹に春香の携帯用カッターナイフが刺さっていた。 「な、んで」 さっきまで勝ち誇った顔が痛みで歪んでくる。 春香は笑っていた。 暗く黒く歪んで笑み。 溢れて漏れ出してくる血を押さえつけなが膝をつき三メートル離れている春香の顔を見る。 「てめぇバカかぁ?刃物ッツうのは斬るだけじゃネェーんだよォ。投げれることも忘れんナァ?」 顔が青ざめていく男はもう一度春香の顔を見る。 ブラック・ジャック 「  B・J   か・・・。」         ・・ コイツ、やっぱりオレのことを知ってやがるナァ。 こりゃ拷問決定ダナァ。
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