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次の日から、俺は村中を丹念に見て回った。
前にいた奴(ワタナベという奴らしい。
気に入らない、俺と同じ名字だ。神=ワタナベと呼んでいた。)は、
農業をやっていた人らしく、作物(稲は伝わってないらしい。)に
ついて、栽培の方法や、品種改良の方法などが、現代風だった。
農業試験場らしき物があるのには苦笑した。
当然鉄はなく、殆どが木製の農具だった。
一か月もすると、この村の文化レベルが分かってきた。
そこで俺は、記録媒体の作成に取り掛かった。
墨は比較的簡単に作れた。短期の記録は、紙を使うこととし、
長期の記録には、マジックペンと同じ様に、済みで書いた後、
油を竹の表面に塗布した。(どのくらい意味があるかは不明だが)
次に俺は、辞書を作ることにした。俺の言っている事が
判らなければ、教えることもでいないからだ。
巫女は、よく頑張ってくれた。一年かけて、やっと辞書の形は
できあがった。
これからは、数学を教えることにした。加減乗除から、
代数(これは苦労した。)や、幾何学までを教えた。
これも一年かかった。そして、滑車に使える物理や、暦を作る
ための天文学を教えて行った。
当然、俺はその道の専門家でもないわけだから、記憶の片隅に
残っているヒントを元に教えていった。
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