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それから数日。
すっかり忘れていた。
毎日の忙しさと、あと数日で健太郎が居なくなってしまう焦りで。
夏期休暇が明けると3日で居なくなる。
「先日の案件の報告書です。」
高林がいつもの調子で資料をデスクの上に置いた。
{村上 良一殿についての報告書}
早っ。
興信所を使ってもこんなに早くないぞ。
あの辺りに店を出したい。
いつも俺が突然に言い出し、
高林が立地条件や市場調査をして、その界隈の赤字経営で金に困っているような店を探してきた。
どうしても思うようにならない時は、
嘘の情報を流したりして、逃げ出すように仕向けたりした。
汚くて、醜いやり方。
その辺の地上げ屋と同じだ。
その時からの繋がりで、調査に関して、
高林は、最高のコネクションを持っている。
んだと思う。
俺には企業秘密だとか言って、教えてくれない。
俺がトップだって。
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