呼ばれた先

8/18
前へ
/220ページ
次へ
辺りを見渡す。 左側には何だか分からない建物。見た目は古めかしい大きな洋館、にも見える。 あっちは行きたくない。人がいるだろ。 右側には立派な柵が見えた。洋館の白さとは反する黒い柵が、広場を過ぎ洋館の裏にまで続いている。 右後方に目をやる。 あった、出口だ。 柵の終わり、綺麗な白い柱が並ぶ間には何もない。柵から見える景色も草原しか見えない。 痛む体に鞭打って走り出す。 後ろの騒ぎなんて気にしてられるか。 ただ出口に向かい走る。 距離はそれほどない。 いける、あと少しだ。 柵の外へ出ても走る。 ここがどこかなんて知らない。 誰か見つけるかもしれない。 その時に聞こう。 今は、自分に害を加えた奴から離れたい。 まだ走ろう。
/220ページ

最初のコメントを投稿しよう!

201人が本棚に入れています
本棚に追加