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辺りを見渡す。
左側には何だか分からない建物。見た目は古めかしい大きな洋館、にも見える。
あっちは行きたくない。人がいるだろ。
右側には立派な柵が見えた。洋館の白さとは反する黒い柵が、広場を過ぎ洋館の裏にまで続いている。
右後方に目をやる。
あった、出口だ。
柵の終わり、綺麗な白い柱が並ぶ間には何もない。柵から見える景色も草原しか見えない。
痛む体に鞭打って走り出す。
後ろの騒ぎなんて気にしてられるか。
ただ出口に向かい走る。
距離はそれほどない。
いける、あと少しだ。
柵の外へ出ても走る。
ここがどこかなんて知らない。
誰か見つけるかもしれない。
その時に聞こう。
今は、自分に害を加えた奴から離れたい。
まだ走ろう。
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