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今のオレは、困ったような顔をしているだろう。
いや、実際困っている。
綺麗に舗装された煉瓦の広場。
雲一つ無い青い空が広がっている。
もっと周りを観察したいが、出来ない。
なぜ?
視界に映る真っ黒いローブの集団に、注目されているからだ。
外国人のような派手な髪や瞳の色、真っ黒なローブを纏った怪しげな彼らから眼を離せない。
人数は20名程だろうか、とにかく此方をガン見しているのだ。
何これ怖い。
こんな時どうすればいいか分からない。
笑えば…いいのか?
「ひ、人…!?」
そう呟いたのは、集団の中で最もオレに近い人物だ。
その人物は後ろの少年少女と異なり、フードを被っているため顔を伺えない。
少女のような綺麗な声。だが、少年の声変わり前だと言われても否定できない。そんな曖昧な印象の声。
結局、何も分からないその人物を見つめるしか今はできない。
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