僕は先輩の隣へ行く

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 ともあれそんな先輩の珍騒動に僕が堂々のゲットインし始めたわけだからしまいには僕まで変人扱いされる始末である。  ただ、そんな毎日自体には不思議と悪い感じはしなかった。  むしろ騒がしくも馬鹿馬鹿しくも居心地のいい日々が愛おしかったくらいだ。  そんな僕と先輩の日々のなかでたった一つ、マイフェイバリットメモリーを挙げるとするならば間違いなく学校祭での「燃える校長事変」だろう。  我が校では学校祭での行事として、部活内でも1つは何か出し物をしろというものがあった。  当然強制ではないのだが、優秀な出し物を出した部活には部費のアップや部室内冷暖房取り付けの優先、内申点向上などの特典が満載のため自然とどの部も参加したがるのだ。  もちろん美術部にまともな部員は実質僕しかおらず、また他の部と違い華やかなことも出来ないのでやるとしたら精々僕の個人展(笑)になるだろうな、と考えていた。  タイトルを「激突!!100億パワーの絵画達」か「美術室爆発!僕がやらねば誰がやる」のどちらにしようか僕の僕による脳内会議を執り行っていた所、先輩が唐突に 「今年の美術部は伝説を作る!」といかにも頭の悪そうなことを言い出した。  これで全国3位だからこの世は間違ってると思う。  なんでも去年も出し物をやる機会はあったらしいのだが、当時の先輩は自分のクラスで「天下一武道会」を開き、50人の腕自慢の頂点に輝くという女の子にしてはかなりアウトな事件を起こしていた為出し物は出せなかったそうだ。  今度は「暗黒武術会」でも開くのかと戦々恐々としていたが、先輩のアイデアは意外にも「花火」だった。  というか先輩は花火を作ろうとしていた。なんでも昔知り合いの花火師に作り方を教わって免許を貰ったそうだ。本当に何でもありだな
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