好き。

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どっきり? そう思って聞こうと思った……が。 岸田の顔は首まで真っ赤。 こっちをじーっと見て返事を待っている。 ……どっきりとかいう雰囲気じゃないぞ。 「……佐倉、へ、返事……き、かせてもらって、いいか?」 うわ、めっちゃ声震えてる。 ……中学の時とは別人じゃないか。 ていうか。 「……返事もなにも。いきなり男に告白されて急に答えとか出せない。しかも喧嘩ばっかしてた相手だぞ?おま、わかってる?」 ちょっときつい口調になってしまった。 ……だが。 「……わかってる!わかってるよ、そんなこと。でもお前のこと好きなんだ、仕方ないだろ」 何が仕方ないのかよくわからない。 「つかお前ホモなん?」 岸田を見て言うと、あいつは俯いて。 「……知らねーよ。お前しか好きになったことねぇんだからわかるわけねーだろ」 は? 「中学入ってから、ずっと好きで。悪口とかお前の前でいったときは何度も何度も後悔して。お前が全寮制の高校行くって知ったとき死ぬかと思ったわ。 ……そんでここに俺も入ろうと思ったらくそ勉強難しいし。なんなんだよ本当」 真っ赤な顔で頭をかく岸田。 なんなんだよ、はこっちの台詞だ。
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