桜がまうころに

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俺は、今ここにいる。 こことは、病院だ。俺の部屋からは、満開の桜が一本見えていた。 あの、桜が散り終わる頃には俺の命も終わりを迎えているだろう。 はじめは、自分が死ぬことに絶望した。 今は、死よりもその過程に絶望していた 俺は、今ではほとんどもうしゃべれなかった 言語障害というやつだ これは、まだマシだった 喋れなくてもどうにか意志は伝えられたからだ 俺が一番つらいのは…… 記憶を無くす事だった……
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