桜がまうころに

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どうやら俺は、桜を見たまま眠っていたようだ。 誰かが俺の手を握ってくれていた。 あたたかい手…… 俺は、手の持ち主を眺めた…… 眺めた先には、一滴の涙があった。 彼女は、俺の手を握り泣いていた。 その瞳は、俺に何かを言っていた。 だけど、俺にはわからない…… 外の桜は、風にゆられていた。 ゆれる度に、花びらが落ちていった。 俺の命の花びらと一緒に……
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