桜がまうころに

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今日は、俺の部屋に女が来た。 俺の白い部屋に 女は入ってくるなり、俺に優しく微笑んだ。 俺は気にもせず、外の木を見ていた。ピンクの花が綺麗だ。 女は、俺の身の回りの世話をしてくれた。 なつかしい匂いはする…… 女は、俺を知っている様子だ。 だが、俺には女がだれだかなどわからなかった。 俺は、花びらが落ちていくのを眺めていた。 知らない女は、色々話しているが、よくわからない名前や単語が多かった。 でも、その話を聞くと、胸がざわついた。 ざわつきを抑えるのに、俺は木をじっと見るしかなかった……
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