6人が本棚に入れています
本棚に追加
体育館裏なんてベタだなぁ。
こんな時に愛の告白なんてされたらどうしませう。美貴さんが命を無くした日に彼氏ができた優樹さん。
後者の田中さんは不謹慎極まりないな、うん。
体育館裏って確か動物臭かったよな
「あら、田中さん、来てくれたのね。来てくれないのかと思ったわ」
体育館裏にいたのはただの美女だった。私が男性に、愛の告白を受けるなんて事はあるはずがないのだ。
期待を裏切らない、こんな世界が大好きだ。
「田中さんが来るの遅いから暇潰しにニワトリと遊んでたわ」
「っうえ?」
変な声が出た。
びこーず、美少女の手にはニワトリの頭部のみが握られていたからだった。
ニワトリと遊ぶ・・・?ニワトリで遊ぶの間違いじゃないのか?
「田中さんってもしかして私の事覚えてない?同じクラスの姫妃よ?」
「ひめき・・・?いや、知らないなぁ・・・あはは。でさ、話ってなに?」
頭が追い付いて居なかった。
ニワトリの頭部と血で濡れた美少女の手とナイフと学舎にふさわしくない。
「帰る方向いっしょよね?帰りながら話しましょう」
「帰る前に手洗ったら?」
「そうね、そうするわ。ちょっと待って」
クールビューティーの具現化のような人だと思った。突っ込みどころ満載だけど。
最初のコメントを投稿しよう!