第1話

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日本のどこかにある市内。ここ木崎市は桜が散り、新しい生活や環境に馴染もうとしている時期。 暖かな風が吹き、太陽を暑く感じさせない気温。 2021年5月3日、アビリティ能力と呼ばれる超能力が最初に発見されてから31年の時が経った。 このアビリティ能力は社会問題になっており、人権を侵害する者やいじめと言った問題が多く存在する。これらを少しでも改善してアビリティ能力者が普通の人間と何も変わらず暮らせるようにする為に最初にアビリティ能力を持った人である岡田英気は政府の1人となり、瞬く間にその活躍を国内に知らせていくが10年前からパタリと活躍を聞かなくなってしまった。だが、彼の行った活動はアビリティ能力者が引き継ぎ、現在でも様々な場所で能力者の差別を無くす運動が行われていたり、能力者との交流を深めるようなイベントもしている。その一方でアビリティ能力は人類の進化すべき姿だと謳う者も居り、一部には過激派が居るぐらいこの国、日本では今問題視されるべきものとなっている。 31年前と比べると少しは落ち着きを取り戻しているがまだ能力者を差別の対象として見る者も少なくはなく、現在でも知られていないだけで何処かで迫害を受けている者も居ると考えられている。アビリティ能力を持たない人を非能力者と呼び、彼ら非能力者の意見としては自分たちの知らない力を持つ者とは何をされるか解らずただただ恐怖しかないと言う事が多い。恐怖の対象として見る能力者を迫害、いじめをする事で少しでも遠ざけようとするがそれが返って逆効果となり、能力者による事件が多発している。 アビリティ能力とは一体どういうものなのかと言うと一言で言えばランダムで決まる超能力と言う事だけであり、現在はどういった仕組みで能力が発現するのかを研究している。日本ではアビリティ能力を研究する者たちが増えており、今では約100件近くが研究所を持ってアビリティ能力について研究をしている。その中でアビリティ能力を確実に消す方法、薬品を作り出そうとして居る者も多く競争するかのように研究所が増えては協力して作る為に減り、といった事を繰り返している。
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