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現在この学生間で流行っているSNSサイトはNo Nameと言い、国内の学生が日夜アクセスしている。特に管理者が木崎市内に住んでいるということで木崎市の学校のスレッドや木崎市内の隠れた美味い店などを教えあったりしているスレッドがある。スレッドは管理者のみにしか作ることは出来ず、自分たちの学校がなければスレッドの申請をして、管理者に作ってもらう事になる。
◆
木崎市内にある西木崎高校へ通う生徒たちは温かな風に包まれて登校しており友達と会話をする者も居ればスマートフォンを弄りながら登校する者も居り、平和な一日が始まろうとしていた。だが、学生集団の中から叫びながら走り抜ける者が居た。
「どけどけ!!」
どうやらひったくりをした男が学生集団の中を駆け抜けていた。鞄を抱えるようにして走っており、手には刃物を持っていた。登校している学生は道を開けるしかなく、ひったくり犯に道を譲るようにしていった。やがて学生の集団を抜けた先に曲がり角があることを確認し、曲がって少し逃げたら休もうと考えていた犯人は走るスピードを上げていく。一人、二人と追い抜く学生。後は目の前の2人の学生を追い抜かせるという状況だった。足がほつれそうになりながらもひったくりをした男は全速力で駆け抜けていく。
「…?あ!危ない!」
後ろまで接近していたひったくりの男に気づき、青年がもう一人の青年を突き放して道を開けた。
これは行けると思ったひったくりの男は2人の間を走り抜けるが、突き放された青年の肩にぶつかってしまう。だが、気にしてはいられず曲がり角を曲がり少し走れば後は逃げ切れると確信していた。青年がガンを飛ばすようにそのひったくり犯を見ていたことも知る由もなかった。
曲がり切ってから後ろを確認するがパトカーは来ておらず、意外と楽勝だなと思い、曲がり角を曲がったその時、目の前には黒いフルフェイスのマスクを装着しており、手はレザーの手袋。全身は黒のヒーローのようなスーツに身を包み、腕には白のライン。そして白のスカーフをしている人物が居た。
「な、なんだ!?お前!!」
突然現れた人物に驚きながらも立ち止まりナイフを取り出した。そんなひったくり犯の姿を見ても動揺すらしないヒーロースーツを身に纏った人は右手を真っ直ぐ横に伸ばし自らの名前を名乗った。
「俺は貴様のような悪を排除する正義の味方、ブラックカイザーだ!!」
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