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ワタナベさんはふとなにかを思いついたように、「あ、この猫、名前とかあるんですか?」と聞いてきた。猫はワタナベさんの足元で気持ちよさそうに眠っている。
「いや、俺は知らないよ。別に飼ってるわけじゃないから」
「あ、そっか。すごくなついてたから、つい」
ワタナベさんは右手を頭の後ろにやった。
こいつぅー!このおっちょこちょいめ!
「野良っぽいし、なら風見くんがつけてあげたらどうです?」
「うん、わかった」
どうする?ネーミングというものはその人の鏡だ。ダサい奴は得てしてSNSなんかでダサい名前を使っているもんだ。
一発で決めたいよー。バシッと。
「じゃあねぇ・・・・白雪」
安易!白いメス猫で白雪とはあまりに安易!やっちゃったかー?
「ニァーオ」
寝てたんじゃ・・。一度ならず二度までも、あーざっす!
「すごい!呼んだらすぐ返事したー!さすがですね!」
「まあね!やっぱ愛が伝わるのかな!ハハハ!」
「・・じゃあ、私はそろそろゆきりんの隣に戻りますね。向こうに着いたらまた」
「あ、ああ。じゃあね」
なにーー!誰がどこに座ろうが自由、裏を返せば移動も自由ということか!
謀ったな!光秀ー!
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