第二章 俺の青春が早くも終わる!?

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………え?俺ん家? 「私にペットボトルを当てたのだから当然なのだ。」 「…嫌だって言ったら?」 「あ~痛かったな~…病院行こっかなー…いや救急車を…おばさんにも連絡しとこーかな…」 「いやっほおおおぉ!!!超嬉しーぜぇ!まじ最高!大歓迎だよ!ぜひ来てよ!むしろ来ないと困るくらいだよ!!」 「あれ?さっき嫌だって言ってなかった?フフフ」 「誤解だよー!!!玲那が来ないのは嫌だっていう意味だよ!!」 笑いながら泣くってこういう時にするんだね。なんでだろう涙が止まらない。 7限が終わり下校時間になった。 「はぁ~…なんでこんなについてないんだろう…。」 下駄箱から靴を取り出す。外からザーッと幾つもの音が地面から音がする。外は暗く、大雨だった。 こんな状況で帰るのは気が遠くなるもんだ。 「あ、傘忘れた…。」 傘を教室まで取りに行った。教室は電気が消されて暗くまともに何も見えない。 傘を取り、教室から出た時、2つ隣の教室の電気がついてた。B組の教室だ。 「ったく…」 B組に一人ポツンと立っていた。 教室で"夢叶"が黒板を眺めていた。見た事のない真剣な眼差しだったのだ。そんな姿はまだ一度も見た事はなかった。 「よお!どうしたんだ?」 「ん?ああ…あんたか…。ちょっとね…。」 黒板には1~36が書かれており、番号の横に名前の入った磁石が貼られていた。 「ん?なんだこれ?」 「リレーの順番よ…。ほら、青空高校伝統の大体育祭があるじゃん?」 もうこの時期からリレーの順番決めてんのかよ…。 「お前もよく頑張るよな…。俺なら番号順のまま決めるのに…。」 「あんたと一緒にしないで。」 ちょっと嫉妬してしまった。 「なるほど…。」 「ん?何よ…。」 「いや?なんでもない。」 「変なの…。」 夢中になれるもの… それがただ、羨ましかった。どんなちっぽけで誰に馬鹿にされても曲げないそんなやりたい事。 俺はそんな彼女に笑ってみせた。 下駄箱から靴を取り出す。 「傘持ってるか?」 夢叶はえ?と外を見る。雨が降っていた事に気がつかなかったのだろう。 「どうしよう…。ずぶ濡れで帰りたくない…。」 思った通りだ。けど俺も傘は一つしかない。それに二人一緒に入る相合傘なんて絶対にやりたくない。 「雨が止むまで学校にいる事にするわ…。」 ………しかたない…。 俺は傘を夢叶の方に向ける。
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