第二章 俺の青春が早くも終わる!?

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「使えよ…。」 「あんたはどうすんのよ…。まさかずぶ濡れで帰る気じゃないよね… 「俺は傘がなくても平気だから。」 俺は傘を夢叶のそばに置いた。 「……」 「……」 お互いに黙りこくってしまう。外の雨のザーッという音だけが聞こえてくる。 「…分かった。じゃあこうするわ!」 彼女が傘を拾い2人の上でさした。 思わず驚愕してしまった。 「ほら、さっさと帰るわよ!あ、あと傘持ってよね!疲れるんだから!。」 「お、おう…。」 結局、相合傘になってしまった。 ってかこれ俺のだよ?なんで俺が命令されてるの?ねぇ?やっぱ、こいつ野蛮女だ…。 「誰が野蛮女だ!ごらぁ!」 夢叶のキックが俺の尻に炸裂する。正直、痔になってもおかしくない。とてつもなく尻が痛い。 夢叶家まで見送った後、家へ全速力で帰った。到着時刻は6時35分くらい。なんとかギリギリ… 「た、ただいま~ハァハァ…」 「おかえり~!お邪魔してるぞ!」 と帰って早々に玲那が出てくる。 ってか本当に泊まる気だったんだ。 「さて、帰ったところでいろいろと話したい事あるからリビングへ来い…。」 いつも通り、帰って早々怒られる。 そのあと、玲那も一緒に夕飯を食べ終わる。 またその後風呂に入り、いつものようにテレビを見てくつろぐ。母さんはもう寝た。 はぁ~とため息をし、ソファにもたれた。その直後、友梨が俺の膝の上に飛び込んでくる。 これ、本当に中3かよ… 「お兄ちゃん!なんで玲那をうちに泊まらせるの?」 「しょ、しょーがないだろ?そうしなきゃ許してくれないって言い張るんだから。」 昔から妹と玲那は仲が悪い。というよりも一方的に妹が玲那を嫌っているだけなのだが。 「もういいもん!今日は罰として膝の上にずっといるもん!」 「っちょっ!!お…おま…もう中学三年だろ?」 思わず、吹いてしまう。それは俺の膝のライフがもたない事を意味する。 「やだ?お・に・い・ちゃ・ん!」 知っているだろうか。世界のお兄ちゃん属性の皆共。これが妹という種族だけが使える必殺技なのだ。 否定なんて出来なかった。だってその必殺技は最強なんだもん!! 「しょ…しょ…荘は…何をしてるのだ…。」 風呂から出てきた玲那にこの姿を見られてしまう。 「ま、まて!ご、誤解だ!」 「そうか…そうなのか…そうなんだな…。そういう趣味があっただなんて…。この変態めっ!!」
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