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まぁ、楽しくやっているだろう…とそのまま通り過ぎ去ろうとした時だった。
この教室がすごい騒がしく、変だと思ったのは通る前から思っていたが厄介な事になるとはこの時は全くもって思いもしなかった。
教室のドアがズドンッという凄まじい音が響き、ドア毎廊下に飛び出したのだ。
「!!?な、なんだ!?」
振り向いた時、ドアの上で倒れている女子が3人の男達に囲まれていた。
「テメェこの野郎。好き勝手言いやがって。室長か委員長か知らねーが俺は俺らの好き勝手ってもんがあるだろうが。」
「女だからって容赦しねーし、人を見下すそういう生意気な態度は一番嫌いなんだわ。」
なぜこんな事になってるのか今見た俺には全く理解が出来ない。
ただ、言える事は彼女が危ないという事だ。
「私だってあんた達にこんな事は言いたくない。でも、あんた達も私と同じ人間だと信じて…」
「うるっせーよ。余計なお世話だって言ってんだろうが。」
こんなクソ真面目な事言う奴は俺の知る限り一人しかいない。もし、この聞き覚えのある声とあの真面目っぷりが事実ならば彼女しかいない。
「夢叶か!?」
思った通りだった。
「あ、あんた!?」
こっちを夢叶が振り向いた瞬間、夢叶の顔が思いっきり蹴られ床に顔が着いた。
「何よそ見してんだよ。頼りの彼氏か?ってかお前に彼氏いたのか?」
っきゃっ!!!!
さらに男達が夢叶の腹を何回も蹴りだす。
それをわざと見せるかのように俺の方に向けて、ニヤニヤと挑発をしてきた。
「テメェ…何様のツラしてそいつを蹴ってやがるんだボケぇ!!!」
夢叶の前に立ち庇った。
「糞ツラ共!それでも人間かよ。何も感じねぇのかよ!」
「あん?そういやぁ、どっかで見た顔だと思ったらD組のサボり君じゃねーか。」
「なによ…。なんであんたが私を庇うのよ!」
茶髪の男が俺の襟を掴んできた。
「何、カッコつけてんだよ。」
一発、顔面を殴られ、床に叩きつけられた。
「この野郎…」
俺は理性を無くし男達に飛び込んだ。
「や、やめて!」
後ろから夢叶の声が聞こえてきたが俺はやめなかった。
「お前達!何をしてるんだ!?!」
最後の茶髪の男を殴り終わった後、隣の担任が来た。
「…教頭…」
俺は歯を食いしばった…。
事情は詳しく知らないが、夢叶が事実を話しても疑われてる俺の味方をすればグルじゃないかって思われ兼ねない。
ならばいっその事…
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