第二章 俺の青春が早くも終わる!?

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「私が…こいつは…」 「こいつら(男3人)と俺が招いた事です。殴られたから殴り返した。ただそれだけですので。」 「やっぱり神谷…お前がやったんだな…。」 誰かが犠牲にならなきゃ誰かが報われない現実ならば犠牲なるのは最も必要のない人間でいいんだ…。 惨めな人間だと自分でも思う。けど、この惨めさが誰かを救えるなら本望だ。 「自宅謹慎で当分停学にする…。」 先生からそう宣告があった。 「ま、待ってください!!いきなり停学っていくらなんでもないですよ!!」 惨めな俺の姿を見ていた夢叶が俺を押し退けてそう言った。 「ま、待て!夢叶!!」 「確かに神谷がやった事はいけない事です。けど、神谷が言った事が事実とは限らないじゃないですか!」 「まて!俺が言ったことは…」 そこまで言うと夢叶に腹を殴られ、地面に這くばる。 そして俺が苦しんでる間に夢叶は話を進めた。 「では、君が原因なのか?事実など最初から誰も求めとらん!原因が分かればそれで解決する話だ。」 「なら、私が…」 夢叶は言葉を詰まらせる。覚悟が足りなかったみたいだ。数秒間沈黙が続き、山下が口を開いた。 「本人が自分が悪いと白状しているんだ。自首した時点で原因は解決したのさ。」 もう何も期待なんかしてない。思う通りになったんだから何も後悔なんかしてない。なのに何故だか…やり残した事がありそうで落ち着かないんだ。 「………」 夢叶はそれを言われた途端黙りこくったのだ。 「もう言いたい事は済んだか?なら神谷は自宅謹慎で停学でいいな?」 俺も夢叶も何も言えなかった。 「ありがとな夢叶…。こんな不良のためなんかに…。」 俺は微笑んで彼女の頭に手を載せ言った。夢叶は黙りこくったままだった。 夢叶を襲っていた茶髪男達は俺の方を不思議そうな目で見ていた。 まぁ、普通なら不思議に思うに決まっているが…。その時だった。 「停学だけは許してもらえませんか?本人も反省しているみたいだし…。」 奥の方から長い髪を左右にヒラヒラ揺らしながらこちらへ向かってきた。 それは俺のクラス、D組の担任だった。 「彼女も言っている通り事実なんて分からないんだし、もし仮に神谷がその子達に喧嘩を売ったとしてもそれはなんらかの原因があるのでは?」 見事に山下を追い込んでいく。
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