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友達とか仲良しとかそんなのどうでもいい。そう…どうでも良いと思っていた。なのにどうしてだろう。何かに期待している様な…
「な…何よ。い…いきなり自己紹介してくるなんてどうかしてる…」
ああ、確かに…どうかしてるかもしれない。自分でも不思議なくらいだ。
「……宮脇夢叶(みやわき ゆいか)…………。…い…一応よ!一応名前だけ言っておくだけよ。」
顔を真っ赤にしながら髪の毛で表情を隠しながら指を夢叶は言った。
「お、おう。」
俺はこの時思った。
つまらない毎日の中にも突然不意に変化が訪れるきっかけがあるとするならば、今この瞬間がその時であるのかもしれない。
「またな夢叶!またどこかで会ったら宜しく!」
「いきなり気安く呼ぶな!ッフン」
顔を赤くし夢叶は叫んだ。
俺の背中が見えなくなると彼女は俯く。
「青春…か…。」
彼女はそう呟き、帰り道へと進んだ。
しばらくした頃、俺は家の前でぜぇぜぇと息を切らしていた。
左腕に着けてる腕時計を確認した。
少し寝坊したとはいえ、こんな時間になってしまった。
玄関を音をなるべく立てない様、慎重に開き、顔だけ中に入り中の様子を伺う。
もし、こんな時間に帰ってきた事がばれてしまうと大惨事だ。
「あら、おかえり。お茶とおやつ机に置いてるからね。」
なんてナイスタイミングだ。今日は運が付いてるかも☆勿論…マイナスの方で…
謝って許してもらうなら警察は要らないってもんよ。
はっきり言おう。奴が天性のドSを持ち、怒りによって目覚めた、生物から超越した存在、伝説のスーパードエース人。※そんな物は存在しませんのでご了承
「今日は遅かったわね。こんな時間まで学校に居たなんてそんな勉強熱心でお母さんもう感激しちゃう。(勿論、勉強してて遅くなったんだよね。違うとか言わないよね?)」
母さんは指を何回か鳴らす。
「…い…いやそれはその…」
言いかけた途中で被せられる。
「大丈夫大丈夫。そりゃあ内の子に限って悪い点数取る訳ないから。遅くまでお疲れ様。(まさか、居残りとか夜遊びだとか…そんな訳ないよね?分かってるよな?あん?)」
「た…単刀直入に言いますと……その…寝坊………。…うん…仕方ない。そう!仕方ない…。って訳だから…そのぉ…だから許してくれる…わけないですよね?」
「ふーん。そうなんだ…。そういう事なんだ…。ふーん。(覚悟は出来てるんだろうな?あぁん?ゴラァ?)」
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