第一章 俺達の青春と出会い

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すると、顎に手の甲を置く。 言っても叩いても起きないなら普段できない事をして無理やり起こせばいいんじゃないかと。 そして、一旦部屋から出て行った。 と思いきや、クラウチングスタートの姿勢を取る。 「よーい…」 すると良いスタートで「ドンッ!」って言ってから廊下からドタバタと走っている足音が聞こえるではないか!? そう。こちらへと友梨は走ってきている。そして途中で宙に舞い俺の寝ているベットの上で着地しようとしているのだ。 「ちょっ!ま、待てぇぇえ!!お、起きるから!!起きるから!!…体が死ぬぅ…体が死ヌゥゥううう!!!!」 影が俺のベッドの上で徐々に大きくなっていく。 「おぉぉぉおきぃぃぃいろぉおおおお!!!!!」 着地前、全体重を足にかける。そして、ついには俺の上に飛び込んできた。 なんとも言えない美しい着地。その下で意識を失っている俺は泡を吹き、白眼。 しばらくは動けそうになかった。 「あ~♫いい運動だった~。快適快適~♪」 そんなお兄ちゃんの心配をするわけでもなく、右肩をブンブン回しながら下へと降りていった。 今回は流石に懲りた…。 これからは起こされる前に起きることにしよう。 しばらくして俺はリビングに行った。 テーブルの上にはパンが置いてあり、その上にまたラップで被せてあった。 母は平日、いつも忙しい。正直、動揺してしまうくらいハードスケジュールなのである。 その分、家事等は俺と友梨でやっている。そういう事情があり、朝からパンが布で被せてあるのだ。 俺が飯を食う頃には友梨は中学校の制服に着替えていた。 白のYシャツに赤チェックのネクタイとスカートが友梨の通う中学。俺も去年まではここに通っていた。 地域ではおしゃれで有名な中学だ。 食べ終わり、俺も着替え終わると共に友梨は髪の毛を整えて家を出て行った。 「じゃあ、お先行くね。お兄ちゃん!遅刻厳禁だよ!!」 「分かってんよ!お前も遅刻すんなよ!」 そう言って玄関がバタンと閉まるのだった。 時間通り校門の前に着いた。ギリギリ遅刻はしなかったものの、朝の事もあり、まだ腰が痛む。 それから授業が始まり、いつものように外を眺めては寝るという事ばかりをしていつの間にか昼放課になった。 もちろん、俺はいつもの木に囲まれた風通しの良いここで毎日を過ごすのだ。 「はぁー、俺の青春どこいったんだろう…。」 仰向けで空を見上げて寝転がった。昨日のあいつ(夢叶)は今ごろどうしてるのだろうか…。 昨日は夜遅くまで学校に居たみたいだし…ってか家に帰ってんだろうな…。 そんなこと考えていると急に視界が陰で覆われた。 「やっぱあんた、ここにいたのね。」
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