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人々の感情から希望が失われ、二次災害的に起こったお祭り騒ぎ。
その元凶であり、被害者であり終着点。
表情豊かなポーカーフェイス、秦こころ。
彼女は今、悩んでいた。
人々に希望が戻り、自分も神社で舞を踊る日々。
しかし人々の興味は徐々に神社に向かなくなっていた。
幻想郷は全てを受け入れる。
新たな妖怪であるこころでさえ、その理には逆らえなかった。
「最近めっきり見物客が減った気がするよ」
「そりゃ飽きたんじゃない?普通に考えて」
神社の縁側で境内を眺めるこころに、掃除中の霊夢はつまらなそうに言った。
「なんと。儂の心綺楼はもう古いと申すか」
「まだ客が来るって事は完全ではないにしろ、人間が飽きてきたって事よ。幻想郷は流行り易いけど飽きやすいのよ」
だからお賽銭が増えない、と言い出した霊夢を他所に、こころは一人考える。
(私も幻想郷の一員となった。それは消滅の危機を脱したということ。でも感情がなー)
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