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━━数十分後のリビング
俺はご飯は食べ終わっているのだけど、空気が重くて席を立てない、主に左側が…
そこに座っているのは妹の秋羅[あきら]だ
この名前だと秋羅と初対面の人に会うと毎回俺が秋羅になるんだよな…
なんで女の子にこんな名前つけたんだかね、父さんと母さんは…
ちなみに母さんが春美[はるみ]、父さんが弦刀[げんとう]だ
気づいただろうけどうちの家族には季節の漢字が使われてる
父さんだけ季節に関係ないと思ったら大間違いだぞ?
刀の発音が「とう」だから冬になるんだ…まあこれはどうでもいい
で、空気が重い秋羅に
「どうしたんだ、かなりの不機嫌オーラを出して…」まあ、だいたいわかるんだけどな
「お兄ちゃんがチョコをもらったことを怒ってるのっ」
秋羅は中学一年生にして未だブラコン気味だ
自分を慕ってくれるかわいい妹がいるのは嬉しくもあるが時折めんどくさい
「義理チョコだし、怒んなよ」
義理チョコであることをムキに言いつのるのは嫌だけど、言わなければそれ以上に嫌な目にあう
「私は義理チョコしか渡せないのに」
「義理以外のなにチョコを渡すんだ?友チョコか?兄妹の縁を切りたいのか?
父さん、秋羅に嫌われたのかもしれない」
そんなわけでこういう時は父さんに話をふって逃げるのだ
「心にもないことを言ってやるな夏樹
それにしてもやっと初めてのチョコか」
「うん、まあ」
「俺がお前ぐらいの時はもらえない年がなかったくらいなんだぞ?しかも今でも…、げふんげふん」
ゆらり、と邪悪なオーラが右側から立ち上った
そこに座っているのは母さんだ
「今でも…なんですか?」
まずい、すぐに逃げ出さないと
「ごちそうさまっ、部屋に戻る、秋羅も早く学校行く準備しろよ」
秋羅もわかっているのだろう
「うんっ、ごちそうさまっ」
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