成井美那の場合

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ちなみに秋羅の部屋は防音だ 元は母さんが楽器を演奏する時に使っていたらしい おかげで秋羅は純粋に育ってくれた 俺はすでに手遅れだけどな… 気分転換ついでにチョコを食べようと箱を開けると ―ぱさっ 一緒に入っていた折りたたまれた紙が上箱にくっついて落ちてしまった 「そういえば紙も入っていたな どんなからかい文句がはいっていることやら、はぁ」 と言いつつそれを拾って中身を見てみると 『同じクラスの成井美那です。好きです、付き合ってください、返事は下に書いてあるメールアドレスに送ってください』 という女子特有の丸みを帯びた文字、そして、メールアドレスっぽいものが… このチョコって、イタズラでもなければ義理でも、ないのか? 「・・・ぃやったー!」 ・・・はっ! まずい 誰かに聞かれたら 扉をそーっと開けて… よし、誰にも聞こえてない、つーか聞こえるはずないか 秋羅は防音室、両親は仲良し中――そういえば秋羅に悪影響を与えないために両親のあらゆることにこの表現を使ったなぁ、ちょっとした嫉妬→仲直りからプレゼント→とても仲良しまで――だからな
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