8104人が本棚に入れています
本棚に追加
初心者とクエストは確か注意書きやさっきの女性の話で出てきたが、緊急やら討伐やらは見当がつかない。
しかもその緊急とかかれているカウンターはやたらとものものしい雰囲気が漂っている。
(こ…怖いっ)
ただでさえ人がこんなにいるので怖いのに、変な人に睨まれたり声をかけられたりしたらどうしていいのかわからない。
人目を避けるようにしてなんとか初心者カウンターに行き、座っていた駅員の恰好をしている初老の男性の前でどうやって声をかけようか迷っていると、その姿が目に入ったのか、男性がさっきの女性と同じようににこにこしながら声をかけてくれた。
「はじめまして、secret GARDENへようこそ」
「あの…あの…」
「まずはそちらのパスを拝見してもよろしいですか?」
「あ、はい。ど…どうぞ」
促されるまま自分の携帯をカウンターに出すと、男性はおもむろにそれをバーコードを読み取る機械にかざした。
「…はい。『ゆずる』様。登録ありがとうございます。初のご利用でわからないことがたくさんあるかと思いますので、順に説明いたします」
「あ、ありがとうございます。あの!ここはどこ…」
「まずは当サイトより荷物が2点届いておりますが、『開錠』(オープン)しますか?」
「え?ええっと…『開錠』?」
初めて聞く単語に首をかしげていると、
「わからない単語はパスに初心者用の辞書をダウンロードしましたので参照ください。それよりも実際にやっていただくことが一番早いかと思いますので、この場で開錠させていただいてよろしいですか?」
最初のコメントを投稿しよう!