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(どういうこと?)
「ママ!?ママ!どこにいるの?」
大きめの声を出して相手を探すが、それより大きい空間が私の言葉ごと飲み込んでいくかのように反芻(はんすう)もせず掻き消していく。
表現のしようもない不安。
今までこんなことなかった。“あのとき”だって帰ってきたら母親が泣き崩れていて、そばには父親がいて、それから母親がこの家を長時間離れるようなことはなかったはずなのに。
いつ“帰ってきても”いいように。
わけがわからなくて自分の髪の毛をぎゅっとつかんでいると、玄関先からバタバタと誰かの足音が聞こえてきた。
「『ユズル』!!」
不協和音のような金属音が響き、ドアが開けられると同時に勢いよく名前を呼びながら中に入ってくる足音に、思わず私は声をあげた。
「パパっ!!」
「ユズル、ママはどうした!?」
「わからない。起きたらいなくなってた。靴もある。ドアも鍵かかってなかった…っ!パパ、ママはどこにいったの!?」
「私もわからない。ただママからメールがきて…」
「メール…?」
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