SAVE1

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「…‥20××年6月14日…」 やっぱりずっと昔に見たものと変化はない。 よく見ると携帯も圏外になっていた。 きっと父親が必要ないと判断して解約していたのだろう。母親もそこまで気が回らなかったのだろう。 この携帯はもうずっと前から通信ツールとしての機能を失っていたのだ。 (ならこのメールは…?) もう1度メールに視線を移すと、送信者はやっぱり匡になっていた。 けれどその匡の携帯からは発信した痕跡もなければ、メールを送信することすら出来ない。 「誰なの…?」 独り言のような問いかけは暗い部屋に溶けて、消えた。 ---------------------- ----------- - Several days After - 「さようですか。それでは質問がなければ次のお客様の対応に移らせていただいてもよろしいですか?」 数日前のことを思い出してぼんやりしていると、同じセリフをもう一度繰り返してくれていた。1度目よりも若干大きな口調にはっとすると、目の前の人物は『よろしいですか?』とそこだけを強調した。 (………) あのときの答えが、『ここ』にあるのかもしれない。だけどそれを目の前の駅員に尋ねることは出来なくて、言っても多分答えてはくれない。 そう思いながら用意したものとは別の疑問を口にすれば、駅員はにっこりと笑って答えてくれた。 その笑顔を見ながら、いつかは今口に出来なかった疑問の答えがかえってくることを、願わずにはいられなかった。
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