SAVE9:VS

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そのスキルの出所が私自身ではないし、他のプレイヤーが私達を守ってくれるようなことも多分ない事から考えると、周さんの何らかのスキルの力なんだろうけど、あれをかするだけでも相当なダメージが予想される怒涛の攻撃が、ことごとく受け止められている。 そんな強力なスキルがあったなんて。 それは体を少し離れたところで守っている“刃の盾”のように見える。 「っ!」 なのにどうしてだろう。それは確かに刃を外側にして、私達を守ってくれているハズの力なのに、殺気はまるでその攻撃を受けている内側、私達に向けられているような張りつめた空気が痛い。 それがすぐに私に向けてじゃなく、それを扱っているだろう周さんに注がれていたのは気が付いたけど、守られているようで裏切りの機会を狙われているような不気味な感触に、自然につばが喉を通る。 外に向かってみえるはずの切っ先は、同時にまっすぐに周さんも射抜いていて、気を許した瞬間内側に向かって一斉に飛び込んできそうな、そんな想像を簡単にさせてくれるようだった。 それは周さんも想像しているのか、それとも肌でその危険を感じているんだろうか、顔色は鬼と対峙した時よりも明らかに青く、さきほどかいていた汗とは別物の汗をかいている。 呼吸は涼しい顔からは想像も出来ないほど小刻みに、荒く響く。 「大丈夫ですか!?」
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