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父は大島に帰ると今治市の波止浜にある造船所で働く事になった。
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朝早く起き今治行きのフェリーに乗って今治に着くと波止浜まで自転車に乗って通っていた。
母は姉が病気になると、自宅からフェリー乗り場まで姉を背負って1時間かけて歩き、フェリーで今治に着くと病院まで歩いて行き、診察が終わればまた歩いて、今治港まで行きフェリーに乗って大島に着くとまた自宅まで歩いて帰っていた。
母は身長143センチメートルと低く今のお母さんには出来ない事をしていた。
不便もあり、今治市の別宮町に移り住み父は朝早く起きなくてもかまわなくなった。
父の働いていた会社は造船所の下請けをしていて、配管の仕事をしていた。
下請けの社長は暴力団とサカヅキを交わしていて、従業員の多くは元ヤクザで入れ墨を入れていたり、小指のない人ばかりだった。
父は仕事覚えが早く手先が器用だったのですぐにボウシンとなった。
ボウシンとは一般企業で言うと課長クラスである。
この頃長男として私が生まれたのだった。
お婆さんは長男が生まれたのがうれしくて可愛がってくれたそうだ。
しばらくして突然お婆さんは亡くなってしまう事になる。
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