プロローグ

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 階段を上り2階に到着。少女は迷う事なく1つの部屋の前に進むと、北○百裂拳ばりにドアを激しくノックした。 「朝よー! 起きなさーい! まだ寝てんのー? 早く起きないとこの扉、蘭姉ちゃんばりに蹴破 「るっせぇな!!」  少女の連打と騒音にドアがくじけそうになる直前、怒声と共に内側から勢いよく扉が開かれた。  だか少女はタイミングよく後ろに下がる事で、顔面にドアがぶつかるのを回避する。  そして何事もなかったかのように、満面の笑みで少年を出迎えた。 「おはよリーベ。今日も世界を救う冒険日和よ!」 「セブンス、お前の頭は今日もファンタジーだな。勇者ごっこなら1人でやれ」  天真爛漫な少女とは対照的に、少年はとても不機嫌そうだった。ボサボサの黒髪と着たままの寝巻き。今の少年の状態を見れば、なぜ不機嫌なのかは一目瞭然というものだ。 「何よその反応ー。せっかく私みたいな巨乳赤髪ツインテール美少女が起こしに来たんだから、もっと嬉しそうにしたら?」 「ハッ(笑)。お前は未だに『萌え』を理解していないようだな。朝、自分を起こしに来てくれる幼なじみの属性は、貧乳黒髪ストレートヤンデレ美少女がベストだろうが!」 「キッモ。受精卵からやり直しなさいよ」 「うるさい。俺は今から寝るんだ。帰れ」  そして少年はドアを閉めようとする。だが少女は光の速さで足と指を間に挟み込み、凄まじい力でドアをこじ開けようとする。 「日の出と共に起きて日没と共に寝るのが常識でしょ……!? 何言ってるの!?」 「VIPPERは日の出と共に寝て日没と共に起きるんだよ……! てかドア壊れる! 離せ!!」 「いつまでもそんな所に引きこもってないで、さっさと出てきなさいよクソニート!!!」 「女が汚い言葉を使うんじゃねぇ! あと手を離せ! なんか『メリメリ』っていってるから!!」  その後、部屋のドアがダイナミックに壊れた為、少年は仕方なく少女とともに外出することとなった。
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