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セブンスと分かれて数里。剣士はふと、隣を歩く美女へ声をかけた。
「しかしエリザベス……あの時どうして、裏切るみたいな演技をしたんだよ」
「アラ?演技だってバレてたの」
『バレバレでしたよ!』
『顔は良いのに女優には向いてねーな!』
そう指摘されアタシもまだまだね、と美女は肩をすくませる。セブンスは演技だと気付いていなかった可能性も高いが。
「……別に、大したことじゃないのよ。あの子があんなに助けたがってたリーベって子が、どんな男の子だったか見ておきたかったし。それに……」
これまでの旅を振り返る。その時にエリザベスが思うのは、ただ『楽しかった』ということ。それが彼女のただ1つの行動理由。
今回もとても楽しかった。これから進む先にも、まだ見ぬ面白いことがたくさん待っているだろう。それを思うと、エリザベスはどんなことだってできる気持ちでいた。今回のように。
「アタシ、バッドエンドは嫌いなのよね」
面白いことは、尽きることなく。輝く太陽が草花を照らしていた。
『ニートな魔王とツンデレ勇者~rebellion~』
end
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